Arsenalの巣窟

小説書いてます。ブログは向こうへ飛べ。

今日という最初の一日②

自分を打ち抜いた少年

 

語り部スタート       _俺

 

 

 

二回ほど目がパチクリ。

背中のコンクリート壁は春始まりの(学校が始まって)五日目なのにもかかわらず、

暖かかった。

自分の体温と同化しているように。。。ウン

右に傾いていた首を左まで旋回させて、長い道路を見る。

 

 

『此処』は住宅街の真ん中あたりだ。

道は狭くないにしろ、かなり入り組んでいる。

ここまでの道は学校への最短ルート、、、らしい。

おばさん(俺の保護者)が俺が覚えるまで連いてきてくれたときに教えてくれた。

・・・のはいいとして。。。

 

 

立ち寝をしてしまっていたようだ。

前に向き直る。

フム、やっぱり朝起きるのが早かったんだろうな。

若干、背伸びをする感じで背中で壁をはねて直立。

学校指定の灰色のブレザーとズボンを手で払い、反対側の壁にもたれる。

ひんやり、

「・・・ウン、やはりコンクリはこの温度がグッジョブだね」

グッジョブってなんだよ、、、と思った瞬間、頭に何かが触れた。

 

「     」

 

さっきまで、もたれかかっていた家は‘柚ちゃん‘の家だったから、

今背もたれしてる壁は’音ちゃん‘の家だが。

と、上を向いたらネコがいた。ネコの手が俺の両目をふさいでいる。

・・・結構ドアップな距離だがネコがいたことに気付かなかった。。。

仕方なく壁から離れ、今度はネコに向き直る。

二匹いた。一匹は茶色に黒のシマシマ。おでこの所に黒の縦ライン。結構小さくて、

赤い首輪、飼い猫だろう。

もぅ一匹は薄い青色、まぁ水色で、首に白いライン、おなかに白い斑点。

ていうかこっちはキジネコさんだった(汗

 

キジネコさんはおばさんの飼っている猫だ。外出するのはめったにないんだけどな。

 

まぁキジネコさん(青い方)とナゾネコさん(黒い方)が右手左手で僕の目を覆って

いた。

とりあえずあいさつ。

「あらキジネコさん、おはようございます。朝っぱらからデートですか?」

爪の攻撃が飛んできた。瞬間的に、みけんに傷が入る。

キジネコさんは俺より高い壁に乗っているのにもかかわらず、

首を前に出し、かなり怖い黒目で睨んできた。

この距離で手が届くとは思わず、避けれなかった。

 

 

‘図に乗るな小僧、それ以上下手に口を叩くと首がなくなると思え。

 

 

頭は下がらなかったが、肩が上がった。、まぁおこるのも当然だが。

「ウソですよ、隣にいるネコさんが女の子ともわからない俺に怒らないでください」

などと訳の分からんことをキジネコさんの隣でゴロゴロと喉を鳴らして甘えている

(ように見える)ネコを見ながら言う。

可愛いんだろうねぇ。

キジネコさんは気分が直ったのか首を立ててもっと高い位置に顔を構える。

‘それで、レイアはどういう調子だった?

「あら、レイアさんには内緒で外出してたんですか?」

‘言わないとダメか?

「いや、別にいいですけど、質問的に内緒にしといて的なカンジですけど?」

‘ふーむ。まぁ置手紙は書いてきたがな。

 

キジネコさんとは、質問を質問で返す会話はまぁまぁ普通だ。

他の人にそんな事したら怒られるから、皆は気を付けよう。ってのはいいとして。

キジネコさんは自分の手を舐めながら言う。

‘まぁレイアは起きていたんだな

「いや、寝てましたよ。見てないですけど。挨拶が帰ってきませんでしたし」

‘ふぅん

挨拶は徹底するおばさん。

ナゾネコがキジネコさんの手を舐めている。キジネコさんはその手でナゾネコさんの

頭においた。

‘まぁいい、お前にも言っとくが出かけてくる。

「デートですか?」

「シャッ」

連続攻撃。一撃目は確実に避けたが、二撃目が当たっちゃった。

足まで延ばしてパンチを繰り出したのだ、恐るべし、ネコの身体能力。。。

眼尻に傷が入る・・・。アブナイ。

「わかりましたって、行ってきてください、行ってらっしゃい、行ってくださいな」

‘まぁ・・・よかろう。。此処で殺してはレイアに面目は立たんからな。

「ん・・・そういうことも言わないでくださいな。」

‘でわな、

首を横に振りナゾネコさんを誘導するように壁の上を歩き始めたキジネコさん。

ナゾネコさんもそのあとについて行った。

小さな二つの体はもっと小さくなっていく。

うーん。

「なんかちがうよなぁ」

まぁいいか。

キジネコさんたちが壁の角を曲がってすぐ玄関の扉が開いた。

俺の正面、つまり音ちゃんの家だ。

もちろんそこに現れたのは‘花声音華‘である。

学校の制服、胸に赤いリボン、紺色の冬服、ひざ下ギリギリのスカート、黒のタイツ

ローファー、何ともどこにでもいそうな女子の学校姿だ。

ネコに独りで話しかけていたのを聞かれてはいないだろうか。

すぐに目が合うのは自然だが、音ちゃんが目をそらすのは不自然だった。

 

「うー、さっきはヒドイよー。。。アザヒトくぅん」

 

音ちゃんが口を開く。

そういうことか。さっきといえばさっきだ。

「ごめんって、柚ちゃんも寝ぼけてたしイイじゃん。」

「うー、よくないよー、アザヒト君に見られたことがいけないんだよー。もぅ今日の

アザヒト君はいつも以上にブラックだよぅ」

どんどん下を向いていく‘音ちゃん‘。仕方なく僕はその目線を小荷物で制した。

「んぇ?」

と‘音ちゃん‘はボケたような声をだして、

僕の腕から僕の目まで沿って見たのち三秒停止。

今度は肩から肘、手をゆっくり見直し、また俺の差し出した小荷物を見た。

僕がずっと差し出していたせいか、ゆっくり両手で受け取る。

「ナニ?コレ」

はたまた変な声を出す‘花声音華‘。

「弁当だよ」

「ワタシ二?」

「そぅだけど」

泣きだした。‘花声音華‘が泣きだした。

「!?・・おいおいお」

仰け反る俺。

「嬉しいよぅーー(泣。何でぇー、ありがとーぅ(泣」

しかも大声で、、目を真っ赤にして。目が大きいな。

「ちょ、しっ、静かにしてくれ、柚ちゃんにばれたらどうすんだ」

「うっ、ぐずっ、う”、う”ん。うん?ばれちゃいけないの?」

それはこちらの事情、俺はあいにく様男である。女の子に弁当渡すなんて恥ずかしすぎる。

タイミング悪く後ろから玄関の開く音。

「いってきまぁ」

「いってらっしゃい、忘れ物なぁーい?」

「うん大丈夫ー」

何の差しさわりの無い会話のち、自然目が合う。

・・・まぁ何も言わなければバレないであろう。俺、何も悪いことしてないけども。

「お、、おはようさん、柚ちゃん」

結構無理やり喉から声を振り絞った、、、のは音ちゃん‘が泣いていたのをバレないか

気にしたからだけではない。

「うん、おはよう。」

クールに挨拶する柚ちゃんは前髪をかき揚げ、仕切りの金属製の黒いさくを開ける。

‘柚ちゃん‘の着ている制服も音ちゃんと同じで靴下が白ですねまで覆い隠していた。

「おはよー」

「おはよー音華、似合ってるかなー」

女子の会話。

柚ちゃんの気にしたのは髪型と容姿だろう。うぬ。

「うん、いつも似合ってるよ。かわいいね^^b」

「そうかいー?。」

ていうか制服である。似合う似合わない以前の問題ではないと思うのは当然だが

柚ちゃんは例外であろう。

「いこっか」

俺が先行して言う。いつもと変わらないすがすがしい朝だ。

 

でもそれは平和か地獄か日常か。

まぁ所詮、僕にとっての話だが。

 

 

             -続ー

 

 

 

 

 

 

ふい。

まだまだ続くよ!w

いつまでやるか分からないしどれくらいのペースで書くか分からないけどw

取り敢えず書くよ!w